ディストピアの日々

ディストピアと化した日本列島での地獄の日々の記録

野口悠紀雄氏の「1940年体制」とアジア太平洋戦争期の総力戦体制との関係 その2

「戦前と戦後の企業システムの違い(株主の力や資金調達方法の変化など)を、表形式で比較整理してください」

 

野口悠紀雄氏が提唱する「1940年体制」論に基づき、本来の「戦前(1920年代頃までの古典的資本主義)」と、戦時中に形成され戦後も続いた「1940年体制(戦後の日本型システム)」の違いを表形式で整理しました。

 最大の違いは、戦前は「株主と市場」が力を持っていたのに対し、戦後は「銀行と社員(経営者)」が力を持つシステムへ変貌した点にあります。

 

戦前(古典的資本主義) vs 戦後(1940年体制)比較表

 

比較項目

戦前(~1930年代前半)


古典的資本主義

戦後(1940年体制


高度成長期の日本型システム

資金調達

直接金融(株式・社債


株式市場が活発で、企業は市場から直接資金を集めた。

間接金融(銀行借入)


「メインバンク」からの融資が中心。株式市場の役割は低下した。

株主の権限

強い(株主主権)


株主は高配当を要求し、利益が出なければ経営者を解任する力が強かった。

弱い(経営者主権)


「株式持ち合い」で安定株主を作り、株主の声を封殺。配当は低く抑えられた。

企業統治

財閥・資本家による支配


創業者一族や大株主が強い決定権を持つ。

サラリーマン社長による支配


内部昇格した従業員出身者が社長になる。株主より従業員の利益を優先。

利益の使い道

株主への配当


利益は出資者(株主)のものという意識が強い。

内部留保・設備投資


配当を抑え、利益を次の投資や従業員の福利厚生に回す(企業の永続性重視)。

雇用形態

流動的(欧米に近い)


熟練工はより高い賃金を求めて頻繁に転職。解雇も比較的自由。

終身雇用・年功序列


「会社は家族」として定年まで雇用を保障。賃金は能力ではなく年齢で上がる(生活給)。

労働組合

職業別組合・機能別


企業を超えて職種ごとに団結する傾向。ストライキも頻発。

企業別労働組合


「〇〇会社労働組合」として会社と協調路線をとる(ストをすると自分たちの会社が傾くため)。

政府との関係

比較的小さい


政府の介入は限定的。

護送船団方式(官僚主導)


許認可権を持つ官僚が業界全体を指導・保護し、競争を制限して潰れないようにする。