日本の戦後の出発点はポツダム宣言の受諾による連合国への無条件降伏なのですが、そのポツダム宣言の内容を私も最近まで知りませんでした。
ポツダム宣言の第8条には以下の様に書かれています。
『カイロ宣言の条項は履行さるべきものとし、日本の主権は本州、北海道、九州、四国及びわれわれの決定する周辺小諸島に限定するものとする』
つまり、周辺小諸島のうちで日本国に帰属するものは「われわれ(宣言に署名した米国・英国・中国・ソ連)」が決めるということを受諾したわけですから、日本側が周辺小諸島の日本国への帰属を主張することはポツダム宣言に違反することになるのでは?
尖閣諸島に関して、中国側がポツダム宣言を適用して中国領であると宣言すれば日本側としてはそれに従わないと第二次世界大戦が正式に終わりませんから従わざるを得ませんが、日中平和友好条約締結の際に棚上げにしたのは、田中政権が自民党の極右派との交渉に時間がかかるために中国側が早期条約締結を優先したためでしょう。
北方4島についても、ポツダム宣言第8条から見ればソビエト連邦(を引き継いだロシア連邦)に対して領有権を主張することはできないはずです。
北方4島に関してはジョン・フォスター・ダレスという奸物の介在で解決不能状態にされてしまい、平和条約の締結もできずに第二次世界大戦が国際法上正式に終了してない状態のままらしいのですが、私もつい最近まで知りませんでしたし、日本人の大部分が知らないでしょう。
戦後のドイツと日本はしばしば比較されますが、ドイツは第一次世界大戦開戦時と比較すると、二回の大戦で領土の三分の一くらいを放棄していることと比較しても日本の思い切りの悪さが目立つところです。
ソ連時代から崩壊後もずっとロシアに対して悪印象を持たせるようなマスメディアの印象操作が続いており、ウクライナ紛争に関しても一方的にロシアを悪役にする印象操作が続いていますが、いい加減マスメディアのおかしさを把握しないととんでもない方向に誘導されかねません。
7割がマスメディアを信用している状況は変化しているのでしょうか?